温熱性発汗の測定例
温熱性発汗は、炎天下の歩行や運動したときに、体温を下げるために生ずる発汗で、手のひらと足の裏を除く全身に出現します。
【測定部位】手のひら、足の裏を除く全身(一般的な部位:前胸部・背部等発汗量が多い部位、前腕部・大腿部等測定しやすい部位)
【誘発刺激】暑熱刺激や運動(電気毛布・家庭用サウナ・部分温水浴・人口気象室・全身運動負荷など)
【応用例】暑熱生理学・体育学研究、服飾・感性工学(繊維製品や冷暖房等暑熱環境における快適性の評価)。
入浴中の発汗量測定例です。手背部・手掌部にプローブを貼り付け、約38℃のお湯に浸かります。 手背部(有毛部:青色)では入浴開始から10分程度経過後から発汗量が増え始め、お湯から出た直後から発汗量は減少し始めます。 手掌部(無毛部:赤色)は精神性発汗部位であるため、入浴による温熱負荷に対して発汗量の増加はありません。
運動強度(心拍数を指標)が強くなるほど、発汗量の変化(立上り)・総量が大きくなる傾向が確認できます。
(被験者:20代男性)
上り坂、下り坂など、行程に対応した発汗量の変化が確認できます。
(被験者:60代男性)
前額部、前胸部、頸部、前腕部を測定部位として同時計測を行い、20分のステップ運動を3回実施。
測定部位ごとに発汗量やその変化の違いを確認することができます。
(被験者:20代男性)
丸八眞綿“ホッター”(中に風を送る機構が入った敷布団)の寝心地評価の考察
丸八眞綿"ホッター"で寝た場合、布団内に温風が送風されるため発汗があっても、湿度上昇は認められず、寝心地がよい。
普通の電気敷き毛布で寝た場合、温度は一定に保たれるものの、発汗に伴って布団内の湿度が上昇し、寝心地が悪い。
日本繊維製品消費科学会2019年年次大会
ポスターP-42「暑熱環境における温熱調節寝具の快適性評価」において発表
室内温度・試料湿度には寝具間で大きな違いがみられなかった。
しかし相変化材料を用いた寝具に比べ、通常の寝具で寝た場合は大腿部における発汗量が大きい傾向がみられた。
発汗量が少ないことから、相変化材料を用いた寝具において暑熱ストレスが低減された状況であったと考えられる。